サンドラ

レクイエム・フォー・ドリームのサンドラのネタバレレビュー・内容・結末

4.6

このレビューはネタバレを含みます

めちゃくちゃシビれた!エっグ!スタイリッシュな映像と、最高に不穏な音楽と、これでもかってほどの皮肉!こんなに"飽きない"って表現が合う作品はないんじゃないかと思うくらい、ずっと画面に魅き込まれてた。最初、ヤク中息子とまとも普通代表お母さんの対比の構図で、誰でも我慢したくても食べちゃうことあるよね、それとなんら変わらないこと、ヤク地獄はすぐ隣にあります、他人事ではありません!の流れで進むのかと思ってそれもうまいわ〜とか思ってたら、なんとお母さんも一緒に落ちる側だった。それも壮絶に。辛いな〜精神病院で尊厳無視とか電気ショックとか、他の人の末路もそうだけど、全部地獄の典型みたいな設定なのが、もはや気持ち良いくらい振り切れた"ヤクはやめろよ"メッセージになっている。とりあえず、腕痛そうすぎて目を細めた。その一方で、ハリーとマリオンのお互いへの気持ちがわかる描写がとても尊くて。あんな過激な素材だらけの中でその繊細さがすごく際立ってて、それがヤクによって壊れていく過程が余計に胸を刺す。終盤、マリオンが変態に電話をしてしまう時に番号がメモしてあるのは、仲睦まじい二人の写真の裏。クソ男に電気消してっていうセリフとか、気持ち悪くて吐いちゃうのとか、ハリーが大好きだからっていう理由が、もちろん弱さなんだけど、そこら辺のラブストーリーよりよっぽど切ない。ラストの煌びやかなTVショーは皮肉の極み!映像は言わずもがな洒落てて、もはやクドいと言い出す人がいるんじゃないかと思うくらい加工されてるんだけど、私には、特にお母さんの精神面の揺れ動きとか、場面が全部ストレートに伝わってきてただただ好印象。音楽も、これこの映画の曲だったのか!と今更知って感動しつつ、全編にわたって存在感ありありで最高だった。Lux Aeterna(ルクスエテルナ)。
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