映画見るぞ

レクイエム・フォー・ドリームの映画見るぞのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

薬物中毒者たちの束の間の輝きと墜落を描く映画。正直、ネタバレもくそもなくないか、と思ってしまうくらいストーリーに関してはそれ以上も以下もない、鬱映画として超有名な一作。今まで見たことがないような独特な映像演出には圧巻された。
やっと見れた~…(知名度のわりには、配信サービスもレンタルショップもなかなかどこにも置いてなかったもんで…)
上記の通りストーリーに関しては薬物中毒者の末路、以外は特に語る所はない、と思う。

登場人物たちが初っぱなからキメてるため大体の鑑賞者は彼らの末路がわかってしまうと思う。
特筆すべきはトリップを再現したような(薬物やったことないんで分かんないけど!w)早送りやスロー演出、細かいカット割、登場人物の頭上にカメラを仕掛けているようなカメラワーク。今まで映画で体験したことのない映像演出で全く飽きなかった。
映画というよりミュージックビデオでありそうな画面の見せ方に感じました。どのシーンも一々かっこいい。ヤクキメるカットのカッコよさたるや。
薬物をキメるカットと同じ演出を、同じ"欲"として食事シーン(または食欲がおさえられないシーン)に使用しているのが特に好きだった。薬物中毒者にとって、腹ペコのときの食欲ほど、薬に対する欲望は強いものなんだろうな、と未経験の私でも想像できる演出で、感動しました。

この映画は薬物抑止の学びにした方がいいという意見をみました。確かに登場人物たちのめちゃくちゃな末路を見るとその意見もわかります。
でも、上記通りヤクキメるカットがお洒落でカッコよすぎるので抑止力としてはどうかなというのが個人的な感想です…w

ラストの救いのなさに反して後味の悪さ、悲壮感はそこまで感じなかった。恐らく、主人公たちが初っぱなからどうしようもない人たちだったからだろう。きっと根は悪くはないんだけどね。だからこそ等身大の人間を感じられて、リアリティーが生まれているのかもしれない。唯一、おかあさまは純粋に可哀想だったが…