まぴお

レクイエム・フォー・ドリームのまぴおのレビュー・感想・評価

3.5
【中毒のお話】

ド鬱映画ならコレ!後味悪い映画を観たいならコレがいつも上位にあがる。
レビューを見ても「もう二度と観たくない」「これを学校で麻薬撲滅教材として流せばいい」

英エンパイア誌の「落ち込む映画」ランキングの堂々の1位!

1「レクイエム・フォー・ドリーム」(00)
2「ひとりぼっちの青春」(69)
3「リービング・ラスベガス」(95)
4「道」(54)
5「21グラム」(03)
6「火垂るの墓」(88)
7「ダンサー・イン・ザ・ダーク」(00)
8「冬の光」(62)
9「リリア 4-ever」(02)
10「ミリオンダラー・ベイビー」(04)

ほほう。
「ひとりぼっちの青春」と「冬の光」は観てないが他は落ち込んでないまぴおさんとしては観ておくべきだろうと。

物語としては4人の人物が麻薬にどっぷりハマっていく悲惨な末路が描かれている。
「ヒップホップ・モンタージュ」という映像手法やミニマル・テクノ的な音楽が融合しばあちゃん含めてある意味ホラーな崩壊ぶりが見もの。
これはトレスポとは違った中々のドラッグムービーやでぇ。

フィルマークスでは俗にいう「映画」中毒の人が多いと思うんだけど世間的に今、蔓延しているのはスマホ中毒およびネット中毒だと思う。

中毒ってどうして起こるのだと思います?
アレクサンダー教授がネズミを対象に中毒についての実験を行いました。

ケージにはネズミとただの水とヘロインを混ぜた水。
これ普通に考えるとネズミはヘロインを混ぜた水の中毒になるんじゃないかと考えます。
確かに1匹だけいれた何もないケージAだとその通りになりました。

ところが複数のネズミと遊び道具や食べ物を豊富に用意したケージBにいれたネズミたちは
殆どヘロインを混ぜた水を飲む事はありませんでした。

孤立した寂しい環境ではほぼ100%飲んだのに対して
幸せで他のネズミと繋がりのある環境ではほぼ0%だったのです。

ここからわかることは人生に充実していて繋がりを感じている人は中毒にならないということです。

中毒の核心は人生に存在意義を見いだせないこと。
中毒とは言い換えれば「結束」を求める人間の自然な衝動だと言えると結論づけています。

中毒だから罰するのではなく代わりとなる「繋がり」を充実させればそれは自然と中毒でなくなるということです。
ただ社会はタバコ、ポルノ、薬と罰する事や制限する方向に向かっています。

得てして妙だよね。「繋がり」を求めてスマホやネットにハマるのにその「繋がり」の満足を得ることができないなんて。この作品もその「繋がり」さえしっかりあればこういった悲劇は起こらずにすんだのかも
しれないなぁと思った次第。激しく落ち込みたい人は是非!

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