ダメ、ゼッタイ
お馴染みの薬物乱用防止運動標語。
そしてこれを映像化したのがこの作品と思っておおかた間違いない。
入口事情は多々あれど、踏み入れてしまったら地獄を見ることは間違いないと思わせてくれる、忖度なしのホラー映画。
映像表現がおもしろく、テーマは暗いが観やすい。
以下ネタバレてるかも。
この作品で薬中になるのはあらかじめ人生に絶望している人々で、さもありなん。お気の毒にとも思わなくもない。
しかしだ、やせ薬と称した麻薬入り処方薬を飲み続け人格崩壊に至った母親は、そうなる遥か前からもう少し自分の生活を見直し、改善できたんではと思わなくもない。自分から動かず、変化を願い続けるだけの彼女にはイラつきを押さえきれない私である。
良い生活を目指し、間違った方法で突き進む息子の方がまだ見込みがある。腕は失ったが、これ以降に改心してしっかりと生きて欲しいと願った。
監督、ダーレン・アロノフスキー氏。
ナタリー・ポートマンのブラックスワン、ミッキー・ロークのレスラー、最近ではジェニファー・ローレンスのマザーやアカデミーでも話題になったザ・ホエールを手掛けた方だ。
並べた作品を眺めると(アディクション)と(その結果)を彼は世に出し続けているんだなあと思う。身も心も痛め付けられた人々百貨。趣味悪い。でもこわいものみたさってあるから。
