よねっきー

メガマインドのよねっきーのレビュー・感想・評価

メガマインド(2010年製作の映画)
4.6
ヒーローは生まれながらに良いヤツとは限らないし、ヴィランも生まれながらに悪いわけではない。つまり、彼らは「変身」することでヒーローになったりヴィランになったりするわけだが、これはその「変身」についての映画だと思った。

とにかく全キャラクター変身しまくる。ヒーローがヴィランになったり、ヴィランがヒーローを育てたり、それと別のヒーローはヒーローを辞めたりと、ストーリーラインは混迷を極める。つまり、各キャラクターが自分の「役割」を変えることの面白さが追求されてるわけだが、この物語性は良いなと思った。だって、スパイダーマンの1番オモロい部分って「冴えない僕がクモに噛まれちゃって……」っていう誕生譚の部分にあるもんね。この映画ではその「誕生譚」が何回も観れるから良い。

互いを必要とするヒーローとヴィラン……みたいな発想はどうしても『ダークナイト』を想起してしまうんだけど、そういう既視感のある構図は冒頭でサッサと片付けて、この映画は一歩先に行けてるように思う。特に、ヒーローが自分の人生の選択肢を見つめ直す過程なんかはグッと来る。あれって、おれらにも出来る「変身」だからね。
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