まぴお

メガマインドのまぴおのレビュー・感想・評価

メガマインド(2010年製作の映画)
4.0
【悪の存在意義】

アンパンマンってどうして存在できると思います?


みんな大好きだから?
正義を愛してるから?
みんなが求めるから?
平和を願うから?


間違ってはいませんが正確な回答ではありません。



答えは



バイキンマンが存在するからです。




どういうこと?意味が分からない?
いえいえ。アンパンマンとバイキンマンは表裏一体切っても切れない関係なのです。
アンパンマンはバイキンマンをやっつけることによって存在意義を見出し
バイキンマンはアンパンマンに倒されることによって存在意義を見出してるのです。

そもそも正義という概念は悪という概念があるからその対比として存在するのです。
熱いがあるから寒いがある。高いがあるから低いがある。
片方が存在し比較するものがあるからそれは存在するのです。
美人がもてはやされるのはブスがいるからなのです。
逆にブスがいなければ美人という概念は生まれません。あ、もちろんまぴおさんは美人じゃなくても平等に優しいですよ。紳士ですから。

そう。正義と悪は運命共同体なのです。物語はヒーローだけでは成り立たないのです。


さてこの作品の主人公はバイキンマン...ではなく悪役であるメガマインド。
そんな悪役がヒーローを倒してしまったら?

話はそこから始まります。


彼の存在意義。ヴィランの裏に秘める想い。
その切なさが見事に描かれています。
さすが正統派とは斜め上を行きたがるドリームワークス。
そりゃそうですよ。どんな物語でも勝つ主人公の裏には負けるライバルがいる。
負けた人の気持ちは?見事にその切なさが伝わりぐっときます。

自ら負け役を演じることってとてもできることじゃありません。
誰だって日の目みたいです。鬼だったら桃太郎に勝ってみたいです。

同じドリームワークスのヒックとドラゴンもいいですけどメガマインドも意外に
掘り出し物だったりします。キャラデザインさえよかったらもっと有名になれた作品かもしれないのに...って感じる作品でした。

540本目
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