リタ

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカのリタのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

情感たっぷりの大河ミステリー

倫理観くちゃくちゃで時々見るの辛いけど
激動の禁酒法時代を生きた
コニーアイランドのギャングに
倫理観なんて求めたらこっちが疲れる
特に赤ちゃん交換とかレイプは心を無にして見る


でも話が面白くて全然飽きなかった。

子供時代も青年期も世界が煌めいていたね

一方68年現代編はというと何処となく暗い雰囲気

ベトナム戦争、反ユダヤ主義、社会主義
公民権運動、ヒッピー、
各々の正義が衝突する混沌とした時代でもあった

現代編にその時代の空気があったかは分からないけど
周りが次々暗殺されて自分ももうすぐ死ぬだろう
という長官の覚悟は理解出来た


というか長官の息子が現れた時の衝撃は凄かった!
あー!だからマックスだけ焼けていたのか、と!!

ミステリ部分にこんな惹かれると思ってなかったから
思わずそこでえー!って前のめりに。
過去編に夢中だったのもあるが全然想像してなかった!


なんてことだマックス
マックスは主人公から仲間とお金を奪った挙句、
後にデボラまで奪い取ってたんだね…

ここは怒りよりも切なさがこみ上げてきたわ、なんか

主人公は12年にも及ぶ刑務所暮らしの中
ずっとデボラを支えにしてたけど、
マックスはその間、
ずっと主人公の事思ってたんだなって。


マックスは仲間をみんな裏切って逃げたけど、
あれは結局、ジョーペシの指示でもあったのかな

組織が仕組んだってイタリアマフィア勢のことだよね
そんで労組が自分の息のかかったマックスを
中央政治に送り込むために
死の偽装で過去の経歴を消したいうことかな

マックスって何処でも成功するね。
商売ごとに強いのは
ユダヤ人だからって設定かな



ゴミ収集車の意味がわかんなくて調べたら
マックスが飛び込んだって書かれてて
は?ってなった。
そうは見えなかったわ、
血とかなんかも無かったし
あの人影のスタイルはマックスじゃなくない?

じゃああの描写なんなんだって話だけどね。


元々物流の裏仕事もしてたし
払い下げのトラック買って再出発とか言ってたし
年金流用出来るくらいトラック協会と蜜月らしいし

最初はあのトラック、
それと関係あるのかな?と思ったが
物流とゴミ収集車って同じ組織でやるのか?

とにかくあのシーン全然意味わからんかった。
自殺するなら拳銃でした方が楽だし。
マックスがわざわざ苦しい死に方するとは思えん

それに最初のあの大きい音もなんだったんだ。



というかここまで来て気付いたけど
トラックと労組とマフィアといえば
アイリッシュマンじゃん

ジミーホッファの伝記映画ってだけじゃなく
この映画も下敷きにしてるのかな

スコセッシとかタランティーノ関係の映画は
そういうの多いなぁ。



ところで
巨匠に何言ってんだって話だけど

この人の音楽…エンニオモリコーネ先生
映像以上に悲壮感たっぷりで
しかもしつこいくらい何回もかかるから
途中から音楽かかるとまたキタ!ってなっちゃう
ちょっとコントに思えてくる…


あと
出所後のデニーロはとても20代に見えないし、
最後の方のデボラも60くらいには見えん

まあいいけど

マックスの役者は二人とも良かった。

なにより少女時代のデボラ!かわいー
この女優って、レクイエムフォードリームで
とんでもない顛末迎えてた子なのね、無情…

冒頭で殺されちゃった恋人も美しかったな
肌綺麗で美人で控えめで
正直成長後のデボラより魅力的に見えてしまった



ラストの笑顔は、
映画界の伝説のシーンみたいなので
聞いたことあったなそういえば

最初は
色々あったけどアヘンきもちいの笑顔かなと、笑
現実逃避して終わりなのかと思ったが

でもそれだと現代編いらんなって感じた

エンドロールでずっと見てるうちに
もしかしてほっとしてんのかなって思えてきた

銀行襲わなくていいし
刑務所行かなくていいし
仲間は全員自分のせいで死んだけど
めんどくさい商売は辞めて大金独り占め出来るし
高飛びして自由に人生生きてやるぜ!

って思ったんじゃないかなって


仲間殺して自由に生きてやろうなんて

そうだとしたらマックスも主人公も
どっちもどっちだよな

そりゃ殺してやらんわ
似たもの同士だもの、禊にならん。


二人の熱い友情と青春の物語かと思いきや
なんだよ

ギャングなんてみんな薄情だな
リタ

リタ