ダイナ

らせんのダイナのレビュー・感想・評価

らせん(1998年製作の映画)
3.3
リングを観終わり、リング2を見ようか一息ついていたところ、本作「らせん」はリングと原作者が同じで映画は同時期公開とのこと。(1998年1月31日)監督含め製作陣は一部異なるものの世界観は同一で登場人物の役者さんも共通しているということで鑑賞。

当時の宣伝がどのようなものだったのかは知る術がありませんが、本作は「リング」の続編にあたります。リングのラストシーンからの続きとなるので、リング→らせんの順番で鑑賞することをオススメします。難しいのはリングが好きな人ほど本作がハマるかどうかという点。リングが王道ホラーであったのに対し、「哀愁とエロスが合わさったジャパニーズSF映画」という印象で、リングのオカルト感満載なホラー要素はとても薄く感じました。リングの終わり方が好きな人ほど拒否反応が強くなりそうな始まりだと感じます。本作の締め方は嫌いではなくむしろ好きな方ではあるのですが、部分部分に漂うセンチメンタルさがジャケットビジュアルや前作からの期待とは相反するような気がします。

そして続編ということで、リングでは明かされなかった核心要素を科学的に解明している点も難色を示す人が多そうです。個人的にはここの「ありえなさそうで腑に落ちるトンデモルール」は好みでして、設定に関してはとても面白く感じました。映画リングの映像が強烈すぎるのが映画らせんに響いているので、小説ならこの繋ぎはスッと入ってくるのかとも考えたり。

本作の序盤はサイコホラー感が強く黒沢清監督のCURE的な雰囲気を感じまして、このままの雰囲気で最後まで突っ走ってもらえたらとんでもない傑作になったんじゃないかと思いました。欲を言うとリングとは別物として(リングは名作なので)、「リング+らせん」の内容を一本の映画として1人の監督にまとめてもらった映画を観てみたくなりました。
ダイナ

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