ごるたーな

奇跡のごるたーなのネタバレレビュー・内容・結末

奇跡(2011年製作の映画)
4.8

このレビューはネタバレを含みます

「龍之介、父ちゃんと似てるからあんまり好きちゃうんかな、って。」

九州新幹線が全線開業する日の朝、新幹線が初めてすれ違ったときに願いごとをすれば、願い事が叶うと聞いた鹿児島県と福岡県で離ればなれに暮らす兄弟が、家族4人で再び一緒に暮らす願いを叶えるために友達を巻き込んで旅に出るヒューマンドラマです。

私が一番好きな日本人監督が、最近すごく有名になってしまった是枝裕和監督。

その是枝監督の作品の中で一番好きな映画がこの「奇跡」です。

九州新幹線の全線開通を機に、JR九州が企画により製作された映画ですが、日本版スタンドバイミーのような冒険仕立てに仕上がっています。

是枝監督の演出は、台詞で状況を説明せず、人間関係における心の機微な動きを自然な表情やしぐさ、口調で示す「映像の行間」のある演出で、すごくすごく好きです。

その真骨頂がこの奇跡には詰まっていると思います。
子どもなので台本を覚えさせると不自然になるので、その場その場で何を話すのかを口頭で伝え、子供たちの自然な演技を引き出していてものすごく引き込まれます。

初めて九州新幹線がすれ違った時、子どもたちが何を願うのか。
その場面は涙なしでは見ることができません。

重たいテーマ設定の映画をつくることも多い是枝監督ですが、この映画は気楽に見れて、映画を見た後にすがすがしい気分になれます。

スタインドバイミーのような映画が好きな人はぜひ観てほしいです。