爆裂BOX

エイプリル・フールの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

エイプリル・フール(1986年製作の映画)
3.8
4月1日の週末、大富豪の娘マフィに招かれて、9人の大学生が孤島の別荘にやってくる。だが、彼らは次々と姿を消していき…というストーリー。
公開当時、その結末に観客が激怒して「スラッシャー映画の終焉を招いた」とまで言われる「夕暮れにベルが鳴る」のフレッド・ウォルトン監督によるサスペンス・ホラーです。
9人の大学生が春休みの週末をリッチな女子大生マフィの離れ小島にある別荘に向うも、別荘の中で悪質ないたずらが続き疑心暗鬼に陥る中、仲間が一人、また一人と姿を消し、死体で発見されるという内容です。
前半はパリピでちょっと鼻持ちならない感じの若者達が船着き場や別荘でワチャワチャする姿が描かれますが、船着き場について早々、仲間の一人のイタズラが原因で船頭が顔に大けがするシーンはほのぼのした雰囲気の中でいきなり発生するんで結構ビックリしました。それぞれが泊まるホテルの部屋にも目の部分がくり貫かれた肖像画や眼がキョロキョロ動いて光る猫の掛け時計、クローゼットの中に赤ちゃんの泣き声がするカセットテープが入っていたり、死亡事故の記事が衣装ダンスの中にあったりと様々な仕掛けや悪戯が仕込んであるのが面白いですね。
一人、また一人と仲間が消えて、死体となった仲間を発見したりしますが、殺人シーンが全くないのでスラッシャーというよりはミステリーっぽく感じます。井戸で水組もうとして井戸に落ちた女性の周りに死体がぷかぷか浮いてくるシーンは割とショッキングで見せ場になってますね。
仲間が相次いで死体になっていく中で残った登場人物たちがちょっと疑心暗鬼になっていったり、マフィが露骨に怪しい雰囲気出し始めたりマフィに関するある事実が明らかになったりとサスペンス的に盛り上がっていきます。
最後まで生き残るキット役を「13日の金曜日PART2」のエイミー・スティールが演じていて、「13金」でもジェイソンに追い掛け回されていましたが、今作でもクライマックスでは殺人鬼に追い掛け回されます。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のビフ役で有名なトーマス・F・ウィルソンがアホな学生役で出ています。
当時の観客の怒りを呼んだラストのオチはまあ確かに怒る人がいるのもわかります。それまでいい感じにサスペンスとして進んでただけに尚更でしょうね。個人的には笑えて楽しかったけど。フィンチャーのアレを彷彿もしますね。というかタイトルがネタバレになっていますね。でも、あんなあまりにも度が過ぎてる事されたのに、ちょっと怒った位で一緒に乾杯するとはアメリカ人寛容すぎないか。マフィ殴り倒しても許される気がする。その後ももうひとオチありますが、同じ様な物でした。マフィちょっと信じられないみたいな顔してたけど、お前にそんな権利ないと思うぞ。
オチは賛否両論(多分否の方が多い)ですが、サスペンスとしての盛り上げも上手くて楽しめました。