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アバンチ・ポポロ
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『アバンチ・ポポロ』に投稿された感想・評価

[イスラエル、千鳥足で謳う反戦の鎮魂歌] 90点

ド傑作。1967年6月11日。第三次中東戦争が六日間で終結し、イスラエルはエジプトやヨルダンからヨルダン川西域やスエズ運河を含むシナイ半島全域を奪取した。舞台は終戦の日のシナイ砂漠であり、部隊からはぐれた4人のエジプト人兵士が敗走しながらスエズ運河を目指すロードムービーだ。

シナイ砂漠の真っ白な砂漠に青い空、見渡す限り砂という人間にとっては最悪の大地で、四人のうち負傷していた名も知らない同胞が死に、塹壕を掘る短いスコップで掘っても掘っても流れ込む砂を必死に掻き出しながら、その兵士を埋めてやる冒頭。停戦したことを信じていない部隊長は埋葬を手伝わないどころか停戦の話も信じず、未だにイスラエル兵と戦おうとする。そんな彼を殺してしまい、残った二人は当て所無く砂漠の敗走を続ける。

そんな二人は乗り捨てられた国連軍のジープを見つける。荷台にはさっき死んだばかりのような死体と酒が入っていた。イスラム教徒として酒は禁止されているが、水もない砂漠のど真ん中ではそんなことも言ってられない。初めて酒を飲む二人は初めて笑い合ってそれを飲み干し、その勢いに任せて砂漠を爆走する。ラジオを付けて、イスラエルの軍用放送を流しながら。思えばセルゲイ・ドヴォルツェヴォイ『トルパン』でも同じようなシーンがあったのだが、何もない荒野を車で爆走するシーンの自由さは筆舌に尽くし難い。

しかし、すぐに砂にはまってしまい、爆走は敢え無く終了。すると今度はイスラエルの偵察部隊に遭遇する。戦意喪失していた二人はだいぶ前に武装解除しており、しかも酔っ払っているので、偵察部隊の面々も危害は加えない。捕虜にするつもりはないのだが、二人は偵察部隊について行く。『アバンチ・ポポロ(進め!同胞よ!)』を合唱しながらイスラエル人とエジプト人が入り交じった隊列を組んで行進するシーンは反戦を視覚的に訴えかける名シーンだ。

本作品にはいくつもの人種を超えた繋がりが登場する反面、人種を隔てる壁も登場する。例えば、シナイ砂漠に暮らすベドウィンは二人を見ても中立を決め込んで助けも通報もしない。イギリスのテレビは、放棄された国連軍のジープを背に戦争の悲惨さを語り、二人をスエズ運河まで運ぶ代わりに話を聞き出そうとしているし、レポーターは"戦争は血だよ!画に血が欲しいんだよ!"と宣う。しかも、逃げているエジプト軍兵士の一人ハレドはユダヤ系の俳優で、なぜイスラエル(ユダヤ人の国)と戦わなくてはならないのか疑問に思っている。これは最終的に『ベニスの商人』のシャイロックの演技から"ユダヤ人だって人間だ"というセリフを引用して、水をせびることになるのだが、このセリフが大きな皮肉となっていることには気付いていない。

終始ブラック寄りの笑いを提供していた映画は、イスラエル軍偵察部隊がエジプトの仕掛けた地雷原を知らずに通り抜けてしまい、壊滅するシーンで現実に引き戻される。残されたエジプト軍の二人は勘違いしたイスラエル軍の追ってから死にものぐるいで逃れるが、運命から逃れることは出来なかった。しかも、ハレドはスエズ運河のエジプト駐屯地まで後少しだったのに、勘違いしたエジプト軍からも発砲されたのだ。無情な世界に別れを告げるように、ハレドは海へ倒れ込んだ。
Cem

Cemの感想・評価

5.0
皆さん言ってるとおりの大傑作だった!
戦争が終わったことを信じず戦おうとするイカれた隊長を殺し、武器を捨てて食料も水もないままスエズ運河を目指し歩きだす二人のエジプト兵

イスラエル兵たちとアバンチポポロ歌って行進する姿には胸が熱くなる…
angryaoi

angryaoiの感想・評価

5.0
こんな大傑作を捨てちゃダメ!
もっともっと広く残っていかなくてはいけない作品です。

吉田喜重監督がこんなこと言ってます。
「映画はその時代に作られ、その時代に消えるのがふつうですよね。
でも、その映画がその時代に消えない力があるとすれば、
作った世代じゃなくて、全然違った新しい世代の力です。その映画を生かすも殺すも新しい世代です。」
この映画を消したくない!

戦争映画なのですが、哀愁溢れる寂しさが、反戦を強く主張しています。エジプト軍が主人公。イスラエル映画なのに、敵国のエジプトを主役にしているんです。自省の念も込めての反戦映画。

アバンチポポローってこっちも口ずさみたくなる行進も輝かしい。

因みに、この作品、新宿TSUTAYAにVHSは置いてありました。