シンタロー

マリアの恋人のシンタローのレビュー・感想・評価

マリアの恋人(1984年製作の映画)
3.5
ナスターシャ・キンスキー主演のメロドラマ。代表作「テス」以降あまり作品に恵まれなかったけど、80年代における美の頂点はこの人とイザベル・アジャーニだと個人的には思ってます。映画は戦後再開する幼なじみイヴァンとマリアの物語。イヴァンはEDではなくて「ひどいものが目に入らなくなるように、見えるものは全てマリアだと思おうとした」と語っていて、戦争のPTSDでマリアを抱くことができない。マリアは彼氏がいたけど、結婚まで処女を守ってきた古風な女性。自分のことは愛しすぎて抱けないと言いながら、他の女と遊んでるイヴァンに苦悩する。「アバズレと楽しんでたでしょ!」と罵り、人前で元彼と色っぽく踊ったり、流しのギター弾きに誘惑された日は自慰行為に耽ったりと欲求不満をつのらせていく。そんなマリアを見ていられず、自尊心も深く傷ついたイヴァンは家出してしまう…と、ここまでは良くできてると思いましたが、以降の展開はなかなか破天荒で理解に苦しむ感じ、イヴァンにもマリアにも共感できなくなってしまいました。それでも観てられたのはナスターシャ・キンスキーの魅力。ずぶ濡れのシースルーで掃除中に入ってくるイヴァンの父=ロバート・ミッチャムとのシーンなんかヤバいでしょう。文句なしの美女だけど野性的…良い意味での品の無さ、無防備さがたまらない…なので加点。あと、アラン・ルドルフ作品で印象的なキース・キャラダインが流しのギター弾きでいい味出してます。
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