140字プロレス鶴見辰吾ジラ

バッドボーイズの140字プロレス鶴見辰吾ジラのレビュー・感想・評価

バッドボーイズ(1995年製作の映画)
3.8
【真面目に不真面目】

あのマイケル・ベイの初監督作品にしてウィル・スミスのマッチョイズム、マーティン・ローレンスのヘタレイズムが共鳴する黒人刑事コンビアクション。昨今は真剣な眼差しでホワイトボードを見つめたり、スタイリッシュであることに拘って不真面目さに欲求が生まれる刑事アクションが多いが、本作は2人のコンビと常にジョーク含めたやり取りとキレの良いアクションが渇いた喉にくっきりとした美味しさを残す。

マイケル・ベイの虚構ながら現実のギミックを生かす演出やスピーディーさ、そして爆炎スポットやカーチェイスのクリアな映像の妙技が、非SFな世界観や120分いないの抑制の尺の中で意味を成す。反ベイ論者は「トランスフォーマー」のアンバランスに腹を立てているのも頷けるが、現実アクションにおいてはジャンクフード的な多幸感をもたらす名人ではないがツボをつくのは巧い男であろう。

2人のやり取りの重みのなさに映画という娯楽に期待する我々の非日常が投影されていて、私の仕事感にも本作は影響を与えている。クライマックスの滑走路でのカーチェイスと平面に立つ男たちのマッチョイズムのカットは紛れもなく格好良い。