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ラースと、その彼女のMissSloaneのレビュー・感想・評価

ラースと、その彼女(2007年製作の映画)
4.8
こんなにポッチャリしたライアン・ゴズリングが見られるのは今の所この作品だけのような。

自分を産んでその後すぐに亡くなった母親、そのショックで人が変わってしまった父親、兄は早くに家を出ている。
そういう環境でラースはどう成長していったのか。
母親が生前、産まれてくるラースのために編んだショールを肌身離さずという、ブランケット症候群も持ち、
トラウマを抱え、人と特に女の子と上手く接することができないラース、兄嫁の妊娠と職場のマーゴの登場でラースに変化があるわけ。
ラースにとって妊娠は死と隣り合わせという恐怖
マーゴは仲良くなりたいと気持ちが動いた
(初めての?)女の子

ラース自身が「このままじゃいけない、変わりたい」という気持ちが芽生えたことでビアンカが現れる。
ビアンカは彼にとって母であり、姉妹であり、友人であり恋人です。
しかし通常はこういった所謂ごっこ遊びはたいていは子供の頃にしているものですが、ラースは27歳でそういう疑似体験をするのね。

兄夫婦や街の人々の思いやり優しさに支えられビアンカと過ごすラース。
しかし、マーゴに彼氏ができたことでさらに変化が。
ビアンカに怒って八つ当たりするのよ。
ここで兄嫁のカリンがラースを叱る、優しいだけじゃダメってことね。

ビアンカとの別れを決意するまでのラースの変化が少しずつ
繊細に描かれ、周りもいい人ばかりでウルっときてしまう。
葬儀での神父の言葉がまた良いのです。

テーマは重いのにこんな優しい気持ちになれる映画は珍しいと思う。
音楽もよかったです。
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