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我が至上の愛 〜アストレとセラドン〜のsonozyのレビュー・感想・評価

4.0
17世紀にパリの貴婦人たちに大流行したという長編大河ロマン小説『アストレ』を原作とするエリック・ロメールの遺作。

舞台は5世紀のガリア地方(現代のフランス中央部ロワール地方)。
羊飼いのアストレと青年セラドンは愛を育んでいた。
互いの両親が不仲のため、村の祭りの日、アストレから別の女性と踊ってと頼まれていたセラドンが、その女性に無理矢理キスされているのをアストレが目撃してしまう。

裏切られたと怒るアストレは、翌日、誤解を解こうとするセラドンに二度と近づかないで!と言い放つ。
絶望したセラドンは死ぬしかないと、そのまま川へ走り飛び込んでしまい、村人たちが探すが見つからない。

セラドンの兄は、セラドンが昨日木に記した詩があるとアストレに伝え、それを読んだアストレはセラドンを信じなかった事を後悔し涙にくれる。

その頃、セラドンは下流の川岸で意識を失っていたところを、ニンフに発見され、城で手当を受け死を逃れていた。

ニンフのマダムはセラドンの美貌に惹かれ、村に戻ることを許さないが、侍女レオニードが彼の意志を尊重し、彼を城から逃がす。
だが、セラドンはアストレに二度と近づくなと言われたことを守るため、村に帰ろうとはせず、木で組み上げただけの場所で過ごそうとする。

見かねたレオニードは食事を運んだり、ドルイド僧(ケルトの祭司)に彼を説得してもらったり。
やがて、セラドンはドルイド僧のアドバイスやアイデアに従うようになり・・・

アステルとセラドンの愛の行方はいかに。。

イケメンすぎるセラドン(モデル出身のアンディー・ジレ)が眠るベッドの両サイドから二人のニンフ(マダムとレオニード)が近づき、イケメンぶりを愛でるシーンの美しさ。
アステル役のステファニー・クレイヤンクールは映画初出演とのことで、演技的にはいまひとつですがキュート。
ニンフ・マダムやアステルが片乳や太ももをはだけている姿の美しきエロスにうっとり。

リーダー格で信仰心の厚いセラドンの兄リシダスに絡むウザい男が邪魔くさかったのと(笑;)、後半のセラドンの姿(xxに見えない問題)が気になったものの、牧歌的な美しい自然、神話的・信仰的な世界、沁みました。
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