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スリープレスのtransfilmのレビュー・感想・評価

スリープレス(2001年製作の映画)
3.1
出だしはめちゃくちゃ好きだったけど、どんどん微妙な展開になっていて、最後まで観たら面白くないと思ってしまったダリオ・アルジェント監督のホラー映画。
でも、この映画を完全には否定できない。
「いっぱい殺したよ・・」とつぶやく男、薄暗い森、廃墟、墓場の天使の象、深夜3時の無人の夜行列車など、映像を観てる限りだと、やっぱりこの監督はホラーのセンスが抜群だと思わずにはいられなかったため。

ダリオ・アルジェント監督いわく、
「私の原点はミステリー。この映画は原点回帰作」
だそうです。
だけど、観る側としてはこの映画はミステリーというほど、謎解きしているようにはみえないかな。。と思う。
もちろん主人公の一人である元刑事が独り言を言いながら色々と謎解きをしてるように見せてるけど、
正直なにいってるかわからなかったし、
そんなに大きな謎じゃなかったのに
ものすごく時間をかけているな・・という印象でした。
(正直、序盤のあるシーンで、犯人はすぐわかります。もう犯人わかってるから、早く映画のほうが追い付いてくれという感じだった。)

ミステリーとしてはかなり微妙だけど、ホラー映画としては良いと思う。

この映画、殺しの描写にかなりこだわりがある映画で、
一言でいえば「I love murder」といった感じのホラーです。なので、さすがに自分が子供時代からホラーを観てきた、アダムスファミリー系家系図出身だといえども、この映画を100%好きになるのは難しい。

ちなみに、ダリオ・アルジェントは「君の大好きな殺人鬼の映画を作らないかい?」と誘われてこの映画を撮ったそうです。
うん、あぶないですね。
もうホラーの住民にしか通じない会話だと思う。
自分もホラーをいっぱい観すぎて、
「今日も大好きな殺人鬼の映画を観たよ!」
とノーマルな人たちに話す男にならないように気を付けます。
(ならないけど!)
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