てつこてつ

翔んだカップルのてつこてつのレビュー・感想・評価

翔んだカップル(1980年製作の映画)
3.2
かつて、とある大学の映画研究会出身の知人から猛烈にこの映画を薦められていた事もあり、WOWOWの相米慎二監督没後20周年追悼特集の一環で、「ディレクターズカット版」が放送されていたため視聴。

相米慎二の監督デビュー作にして、鶴見辰吾、薬師丸ひろ子の映画初主演作品。

漫画原作であること、タイトルのイメージからもっとコメディ路線に振った作品かと勝手に思い込んでいたが、結構、真面目に高校1年生で同居することとなった男女の恋心を丁寧に描こうとしている姿勢に驚いた。

薬師丸ひろ子ももちろんそうだが、鶴見辰吾、尾美としのりが若くて初々しい。石原真理の映画初出演作品でもあるが、抜けるように白い肌で本当に可愛らしい。1シーンだけ真田広之と共に登場する原田美枝子がタバコをスッと吸うシーンの美しさよ。

薬師丸ひろ子のアイドル演技はそこまで気にはならなかったし、鶴見辰吾が様々な経験を重ねる中で顔つきがどんどん凜々しく大人っぽくなっていくという演技力の高さには感心させられた。

何が驚いたかって、てっきりアイドル映画だと舐めてかかっていたので、この二人が最後にああいう展開になること・・。よく薬師丸ひろ子サイドはOK出したなあ。

相米監督は若干力み過ぎている感があり、川岸での立ちションシーンの天地逆転の撮影や、POV手法をこの時代から頑張って取り入れているが短いシーンでさえもブレッブレで酔いそうな勢いで、違和感有り。

何故か、ずっと引いた画が多く、石原真理の美しい顔立ちとかをハッキリ映さないのが勿体ないなあと思っていたが、終盤の薬師丸ひろ子が大胆に変身した際の顔のアップが、そのせいかとても引き立ち印象に強く残った。

ただ、全体としては、15歳の男女の恋愛模様にそこまで自分は感情移入できず、何となく流し見してしまった感・・。

この映画を強烈に薦めてきた知人とは、元々、好みの映画の相性がとことん悪い。
てつこてつ

てつこてつ