ブタブタ

翔んだカップルのブタブタのレビュー・感想・評価

翔んだカップル(1980年製作の映画)
3.5
同じく相米慎二作品『雪の断章』と同じアイドル主演映画で、そしてアイドル映画のお約束みたいな物を意識的にぶち壊してる様な実験作みたいに見える。
(もちろん昔はそんな事考えずに見てましたけど)
高校生が同棲ではなく色んな有り得ない理由でひとつ屋根の下で暮らす展開の漫画的な前半のハレ(祝祭)の世界と、それが崩壊していく後半のホラー的な世界。
主役二人の恋愛模様も同じ柵に入れられて交尾を強いられる動物園の動物を見ている様で痛々しく、少年漫画のラブコメを演じる事を強制されてる様な(正に新人である主役2人は現実に映画を撮影してる訳だし)歪さと非現実感に溢れてて異様に感じる。
主人公がボクシングのリングに向かう所で唐突にブツンと映画は終わる。
やはりロマンポルノ出身である相米慎二監督だからか、「SEX描写があればあとは何をやってもいい」のルールでロマンポルノは『荒野のダッチワイフ』『処女ゲバゲバ』等の前衛的実験作が生まれましたが、間違いなく『翔んだカップル』もアイドル映画という枠組みで相米慎二監督が「好きに」やった実験作だと思う。
ブタブタ

ブタブタ