ペコリンゴ

ベティの小さな秘密のペコリンゴのレビュー・感想・評価

ベティの小さな秘密(2006年製作の映画)
3.6
記録。
わたしが守ってあげる

『アメリ』や『ピエロの赤い鼻』のギョーム・ローランが脚本を手がけた、小さな少女がちょっぴり大人になるお話。

ベティことエリザベスは10歳の女の子。
お姉ちゃんは寄宿学校へ入るために家を出て、パパとママはいつも口論、離婚の危機。仲良しの犬ナッツは檻に囚われ、引き取り手がなければ処分されてしまう。人知れず孤独を抱えた彼女は精神病院から脱走した青年イヴォンと出会い、お庭の小屋に匿うのですが…。

ほのぼのして可愛らしいジャケ写とは裏腹に、10歳の少女が主役の物語としては些かシビアな展開あり。童話的なノリ100%を期待するとギャップを感じるかも。

両親の不和というのはこのお年頃からするとショッキングだろうし、学校に行ったらそこでも一悶着ありまして。

そんな中、脱走してきたイヴォンを匿うことになるのですが、邦題の言う「小さな秘密」とはこのことなんですね。きっと行き場のないイヴォンに孤独な自分の境遇を重ね合わせたのでしょう。

バレそうになるヒヤヒヤもありつつ、幼いながらに母性を醸し出すベティは大人への一歩を確実に歩み始めているように感じられました。

思い起こせば、このくらいのお年頃って女子の方が大人びていたような気が。男子はというと息を吐くようにウ○コ、チ○コで大爆笑。カンチョーもよくしてましたね。

少女を主役に据えることでしか描けない、子供っぽさと大人びた部分の共存する機微がよく現れた作品だと思いました。