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眠狂四郎 勝負のkojikojiのレビュー・感想・評価

眠狂四郎 勝負(1964年製作の映画)
3.7

1964年 監督は三隅研次。狂四郎第2作
(惹句)
『斬るには惜しい相手だが…
 勝負は一瞬、
鮮血飛んで、冷たく冴える円月殺法』

狂四郎第2回BSマラソン(再放送で勝手にそう思っている。)に6月14日から参加するため、慌てて自分保有のDVDで鑑賞した。

狂四郎は正月の神社の境内で正義感の強い老人と知り合い、居酒屋で酒を酌み交わす。
その帰り、老人は刺客に襲われ狂四郎が助ける。老人は勘定奉行の朝比奈伊織であることを知る。
朝比奈は財政緊縮のために化粧料を廃止したことで将軍の娘・高姫らの反感を買い、命を狙われているのだ。
狂四郎は朝比奈の護衛を買って出るが……。

この映画は、なんと言っても勘定奉行朝比奈役の加藤嘉が光っている。彼は「砂の器」の老人役のように、何故か暗いイメージが強い。しかし今回は珍しく愛嬌があって、明るい頑固一徹な老人役を見事に演じている。人に関心を示さない狂四郎も、この老人だけには関心を示し、頼まれもしないのに護衛を買って出る。

謎の女、しかも重要な役の采女は藤村志穂が好演している。非常に印象深い。
この時期の大映にはなくてはならない女優だ。
歌う映画スター高田浩吉の娘高田美和も可憐な役で共演。

今回も雷蔵があの独特の甘い声で冷たく吐く名台詞。「るい」さんが言われるドsのセリフ。久保菜穂子演じる高姫に捕らえられて、弄ばれそうになるシーン。

「おのれを鏡で映してみろ。豚より醜いぞ。 その豚姫が雪より綺麗な俺の体に触れようなどとは無礼千万」

こんなこと言ってみたいもんだ
とは口が裂けても言えない。🤭

勝負の相手は高姫の用人主膳が差し向ける、えり抜きの刺客。その中には狂四郎を倒すことだけが目的の者もいる。
やっぱりラストの勝負はたまらない。

この映画がシリーズ最高傑作との呼び声高いのもわかる気がする。

2023.06.10視聴269
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