藻類デスモデスムス属

クォ・ヴァディスの藻類デスモデスムス属のレビュー・感想・評価

クォ・ヴァディス(1951年製作の映画)
3.5
暴君ネロの魅力がすごいの。のし歩く巨悪、赤んぼうのごとし。彼は史実通り、琴を弾き、街を焼き、クリスチャンを迫害し、虐殺する。生理的嫌悪感と母性本能が同時にくすぐられて、妙な気分だ。皇帝だけではない。側近、将軍、王女、信者、伝道師。まるで、歴史という名の裏倉庫。彫像たちのくっきりとした描線に、目をしばたくことになる。この映画、単なるキリスト教讃歌ではない。蛇足だが、死に方を選ぶことで、生き方を選ぶ人がいる。逆は難しい。宗教の選択は、どちらの選択になるのだろうか。