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学校のぜんのレビュー・感想・評価

学校(1993年製作の映画)
3.8
学校というタイトルであるが、普通の中学校ではなくて、夜間学校の先生様々な境遇の生徒の話です

夜間学校について私は殆ど知りませんでした。年齢もバラバラで下は10代から上は50代までの多様な生徒が通う学校

卒業式を目前に西田敏行演じる黒井先生が生徒たちに作文を書かせるシーンから始まり前半はそれぞれの生徒のエピソード、そして後半は生徒の中でも猪さんと呼ばれるおじさんの死についてのエピソードです

邦画の古い作品はあまり見たことはなくて田中邦衛という名前は知っていましたが、実際に演技するところは見たことはありませんでした。
田中邦衛さんの独特の喋り口調と人間味に引き込まれました

夜間学校は50代になっても今まで十分に教育を受けることができなかったために読み書きができない人も通っていて、先生が同じ人間だといったことばに対して田中邦衛演じる猪さんが同じ人間ではない、血統が違うというところは、当たり前に生活できていることは実は当たり前ではなくて、家庭環境や時代背景から義務教育を受けることさせできない人もいるということから自分が当たり前に生活できていることは幸せなことであると考えさせられました。

先生が言った言葉で、教師は裸で向き合わなければいけない、様々なものを背負っている生徒を教え導くことはできないという言葉がありました。この言葉の通りに生徒一人ひとりに同じ人間として真っ向から向かっていて、裏表なく接することは教師として大切なことであると思いました。

夜間学校に入ってくる生徒は自信のない生徒が多く、先生はハガキを書かせたりして社会に認めさせようとしたりして自信を持たせようとしていると思いました。その結果最後の授業では自分の意見をみんなの前で一人ひとりが発言できるまでになって教師は生徒の成長を手助けする役割を果たして、自分が持っている知識を一方的に教えるのではいけないと思いました。
しかし、実際はこのような教師は少なく黒井先生のような生徒のことを思ってくれる教師に会えたことは羨ましくおもいました。
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