トシオ88

牡丹燈籠のトシオ88のレビュー・感想・評価

牡丹燈籠(1968年製作の映画)
3.8
夏はやっぱり怪談三昧!😆
名作の誉高い大映山本薩夫監督による本作。しっかりとした脚本、見事なセット、芸達者な役者達のお陰で怖かった😨。冒頭の武家社会の中での個人の権利など関係ない社会制度の矛盾、そして自害した花魁とその女中の顛末などを通じて、わかり易く社会問題を提起する脚本、そしてそうした封建的世界を江戸の暮らしの中で確りと描く社会派巨匠と言われる山本監督の手腕は流石。そして何よりも怪談としての恐怖と因果応報の図も漏れなく描写する。

セットも大映美術の見事な出来映えを堪能できる内容。衣装や小道具まで一分の隙もない。冒頭の灯籠を持って夕暮れの土手を歩くシーンと終幕、棺桶を担いで墓所に向かうシーンの対比なども、セットと画角の対比が素晴らしい。
役者はやはり曲者西村晃と芸達者な小川真由美につきるかも。西村晃の演技力!顔芸も含めて唯一無二。亡霊お露役の赤座美代子は、今も現役バリバリの女優さんです😃

そして何よりも2人の亡霊が怖い。スーッと歩かずに移動、遠景時の禍々しい雰囲気、いきなり部屋の中にいる唐突な恐怖。生きている人間の精を吸い取る時の姿😨。怪談映画の名作の評価が伊達でない事は、ウン10年ぶりに鑑賞してよくわかりました😃👻🎬。
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