超ド級に風刺が効いている。キレ味鋭く、爽快感すら味わえる終わり方は見事。一度公開を中止されながらもペレストロイカの象徴的存在として大ヒットしたという作品。もし私が旧ソの人間として映画館で見ていたら、エンドロールで惜しみない拍手を捧げたと思う。
ヒトラーともスターリンともとれるチョビ髭の独裁者。
粛清、核実験や文化政策への批判をほのめかす架空の国の架空のお話。
アンゲロプロスやパラジャーノフのような叙情詩なのに、しっかりユーモアを取り入れていてとても見やすい。
3世代に渡り苦しむ独裁者の罪と罰。
時代により、権力者により変わる善悪を、普遍的価値観で問う。
奥さんの裸は必要なかった。
圧政に苦しむ小国ジョージアは、社会風刺の素晴らしい作品が多い印象がある。
ジョージアに限らず、旧ソ、イラン、中国は骨太な映像作家が多いと感じている。
手塚治虫の言葉
「今世紀の芸術作品といわれるものは、たいてい圧政や迫害の中から、レジスタンスとして生まれてくる。」
これまさにそのもの。
「祈り 三部作」はぜひ見たい。
テンギズ・アブラゼ作品の配信、ソフト化を願う👼