すず

ナチュラル・ボーン・キラーズのすずのレビュー・感想・評価

3.0
90年代の破茶滅茶な怪作。映像のタッチが様々な風合いに変化して目にも鮮やかで、何やら不思議なものを観ている気になるけど、ボニー&クライド気取りのアホイカレ殺人カップルを祭り上げた暴力讚歌的なくだらなさもあって序盤で飽きてくる。この映画の真の恐ろしさに圧倒されるまでには1時間ほど我慢が必要で、そこからの怒涛の展開はカルトチックな強い煽動力を感じた。ミッキーが自身を語るインタビューシーンが特に引き込まれた。殺人者の心理なんて感化されるものではないが、狂った中に整然とした自軸があり、妙にリアルで、淀みなく発せられるそれらの言葉に聞き入ってしまった。「一粒の麦 地に落ちて死なずば 一粒にて終わらん 死なば多くの実を結ぶ」「誰でも心に悪魔を持つ」「何でもなくなるんだ 人生に絶望すると」「現実とは何か?目に見える世界はイリュージョン」「俺は極端な光と闇さ 影はなくならない」「悪魔を殺せるのはただひとつ 愛だ」「正気じゃないのは 君らと違いはないさ」「君は嘘だらけの一生 俺は純粋な一瞬さ」。
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