真田ピロシキ

いつかギラギラする日の真田ピロシキのレビュー・感想・評価

いつかギラギラする日(1992年製作の映画)
4.0
3人のベテラン強盗と1人の若造が起こした現金強奪事件を描く犯罪アクション。何と言っても先に語るべきはカースタントの気合入れっぷり。猛スピードでカッ飛ばすは勿論、飛ぶわぶつけるわ何台も続けて転倒するわで、これで回収不能なほどに予算が膨れ上がったというから恐れ入る。バリケード突破のありえなさが素晴らしい。爆発もダイナマイトの数に対して規模を間違っているとしか思えないし、LAかどっかかと思わんばかりの銃撃戦もあって現実感はないがそれが最高。オーバーアクトも作風にマッチしている。

あっさり死ぬ雑魚だと思ってた木村一八が本作のタイトルを体現しているような存在で情動と衝動に突き動かされる姿がいつしか痺れる。それ以上に良いのが情婦の荻野目慶子。最初木村を撃ち殺そうとしておきながらあっけらかんと手を組み、二丁拳銃やサブマシンガンを盛大にぶっ放すコケティッシュなキャラクター。モラルなどとは無縁。それが良い。反権力は本作の徹底した態度。

余談だが作中のバンドメンバーはJUDY AND MARYの恩田快人でエキストラにいたのがYUKI。ロックンロールがテーマにある映画が縁で有名バンドが生まれたのが運命的な話である。