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私はモスクワを歩くのshibamikeのネタバレレビュー・内容・結末

私はモスクワを歩く(1964年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

コーリャ「私はモスクワを歩く。」
柴三毛「私はラブホ街を歩く。」


渋谷ラブホ街の端っこにて使用済みコンドーム群に足元をすくわれながら何とか劇場にたどり着き、劇場最終回の切符を求めたら80番台で目が飛び出た。
柴三毛「最終回だのに異常に混んでいる…!」(普段はせいぜい20番台)

でも実は案外スカスカだったりして…とおっかなびっくり劇場に入るとやっぱり異常に混んでいた。
どうやらみんなラブホには行かず、劇場に集合していたらしい。
ラブホ経営者「ガラガラで商売になんないよっ!(腹いせで道路に使用済みコンドーム群をバラマキッ!)」
柴三毛「ぎゃぴっ!(スッテンコロリン)」

ダネリア監督の本作。ストーリーの内容は若者たちのとある1日を描いたささやかなものながら、スマートかつ魅力溢れるシーンの目白押しで、観ている我々の心をモスクワにごっそり連れ去ってしまった。

観ていて思ったのは、フランス映画というかパリの町並みや風景を観ているように錯覚する瞬間が何度もあり、モスクワって凄いオシャレなんだと驚いた(自分は1週間くらい旅行でパリに行ったことがあるだけなのでそもそも錯覚するのがおかしいぜ!)。
町並みや風景だけではなく、映画自体もスパシーバクールで、見た目が同じの小型自動車の大勢が道路を駆け抜けたり、地下鉄では東京よろしくギウギウの満員電車(駆け込み乗車はメッ!遅延の原因だよ!)。
主人公のお姉さんはきつめの美人で、自分も急いでズボンを引き裂いて繕ってもらいたかった。
レコード店(貸しレコード屋?)にはハクいマドンナのアリョーナ。

結婚式がご破算になった二人のよりを戻すために主人公が建物越しに花嫁に呼び掛けると、外でチークタイム中の大勢アベックが山びこ作戦実施。
ここら辺ときめきで胸が一杯になった。ウェディングプランナーの仕事してる人はこれ見た方がいいぜ。

アリョーナへの恋心が届かなかった主人公が最後に地下鉄駅構内で歌い出すのであるが、自然過ぎて違和感がなかったし、ウルトラウィスパー系シングで一気に泣きかける自分…が!駅員マダムが「あんた!」つって歌を妨害…したと思ったら、「もっと歌って😊」って憎いぃいい!

率直な印象として、全編に渡ってフランス映画というかフランスでのお話を観ている気がして仕方なかった。当時のソ連がフランスと似ていたのかこの監督の傾向なのか、自分の眼球がトリコロールカラーなのかはよくわからない。

観賞後、心がぽかぽかした。
ちなみに渋谷シネマヴェーラ近辺にあるラブホテル群は通称"ラブホ"ではなく"ヴェラホ"もしくは"ラヴェホ"と呼ぶ(嘘)。
ずーっと気になっているのが、「アラン・ド」という看板のヴェラホがあり、あれはやっぱり映画の街渋谷のラブホテルということでそういう名前なのであらうか。

ソ三毛 心の一句
「モスクワは ほとんどパリと 同じだね」
(季語:パリ→エッフェル塔→高い→雲→白い→雪→冬)
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