けんたろう

私はモスクワを歩くのけんたろうのレビュー・感想・評価

私はモスクワを歩く(1964年製作の映画)
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テレキネシス野郎のおはなし。

幕が開いてびっくり。スクリーンがシネスコサイズだ!
と、ヴェーラでは初めて見る画角にちょっと興奮しながら始まった、青年の恋と友情の物語、面白かった。


工夫(工場勤めってことだろう)と小説家の卵が一人の女を奪い合ったり、意気地無しの親友の結婚を助けたりと、2人の男がモスクワ市内を歩き回るのだが、これがちょっとヌーヴェルヴァーグぽくて好き。

また、一日で気が様々変化するのも若者!という感じで好き。
おふざけに笑ったかと思えば、つけられたいちゃもんには本気で怒り、はたまた夢を叶えるチャンスが到来すれば喜び、そして恋に落ちる…いい。

あとはやっぱり、男を見送る女の美しさ。おお、ジュテーム…これはフランスか。

そんなこんなで迎えた最後、他人のために今日を生きた男の、明日へ向かうエスカレータが本当に良かった。希望に溢れていたよ。


『私はモスクワを歩く』
登場する男どもの一日を表した題かと思えば、実は登場する男の明日も表していたんだと気付かせられる。
いいタイトルだし、それに見合ういい映画だった。