ジャイロ

ポケット一杯の幸福のジャイロのレビュー・感想・評価

ポケット一杯の幸福(1961年製作の映画)
4.2
ポケット一杯に何が入ってると思います?

そうですよね。普通、ビスケットですよね🍪

でもね、うちの3歳児のズボンのポケットには砂がいっぱい入っているんです。

そう、砂です

サンドです

それも結構な量の

信じられるとか信じられないとかそういう問題ではありません。これは…

事 実 な の で す!!

春から夏にかけては酷かったなあ。洗濯物を干すときにパラパラと砂の雨が降り注ぐものだから、せめてもの怒りと親密さを込めて、3歳児の両のほっぺを優しくつねってひっぱってやるのです。こんの~つって。

3歳児は「ふに~」ってなります。


ポケット一杯の幸福

フランク・キャプラ監督の最後の作品であり『一日だけの淑女』のセルフ・リメイクです。この作品、後に海を越え、別の監督がリメイクしてまして、ジャッキー・チェンの『ミラクル/奇蹟』がそうなんですって。この話、愛されてるんだなあ。

ジンをラッパ飲みしてるー!!

そしてリンゴ売ってるーー!!

間違いない。『一日だけの淑女』だ

アップル・アニーがベティ・デイヴィスだし、リンゴが赤い!!カラーだよカラー

💣

💥

爆発した。

ただのリメイクではないな。一人一人のキャラクターが立ってる。

さすがベティ・デイヴィス、化けるなぁ。

執事、こんな面白かったっけ?エドワード・エヴェレット・ホーンは『トップ・ハット』にも出てましたね。味がある。

デュード(二枚目、ハンサム)役、4度の結婚歴を持つ男、グレン・フォードも面白かった。でもね、さすがにヘンリー・フォンダには勝てまい。だって、ヘンリー・フォンダの結婚歴は…(略)

ジャッジ役のトーマス・ミッチェルは『コンドル』や『素晴らしき哉、人生!』『駅馬車』『風と共に去りぬ』などに出演してましたね。素晴らしき哉、その経歴!!!

ん?

あれ?

このクセが強い俳優

もしかして…

ピーター・フォーク!?

こいつぁは驚いた。まさかコロンボがこんな所に!!『刑事コロンボ』の7年前か…若い。若いなあ。若いけど存在感すごい。

それにしても、細かい所までいちいち楽しませてくれるフランク・キャプラ監督。爺さん二人でほっこりするシーンは観てるこっちまでほっこりしました。ゴッドファーザーのとこ、吹き出してしまった。

楽しんでる。フランク・キャプラ監督、絶対に楽しんでいるよこれ。観てるこっちにまで伝わってくるその楽しさ。結末知らずに初見で観たら絶対楽しいだろうな。

おおっとここでついに警察が動いたか?

サツが乗り込んできた

ヤバい

ついに尻尾をつかまれる

…ってなんだピーター・フォークか。刑事かと思った。紛らわしいな。

結末あたりはオリジナルをなぞってましたね。しかしこの作戦、うまくいく気が全くしない。これほどの不安を感じることなんて、なかなか無いと思う。もしも私が裏方だったなら、きっと心配でハゲるレベル。

ラストはじんわりと。全体的にオリジナルよりパワーアップしてる気がする。そりゃあそうか。監督は同じ人だし、脚本は二人がかりだからね。練りに練られてる。円熟した匠の技を感じる。終始楽しめました。

まだご覧になっていない方へ。モノクロに抵抗を感じる方は、本作をオススメします。モノクロが気にならないのであれば『一日だけの淑女』と本作を見比べてみることをオススメします。楽しいから。