映画武士道

7級公務員の映画武士道のレビュー・感想・評価

7級公務員(2009年製作の映画)
3.9
結論としてかなりアリの作品。面白いです。

この映画は簡単に言うとハリウッドの「Mr.&Mrs. スミス」の韓国版な感じ。
Mr.&Mrs. スミスをベースにして韓国ドラマでいかにもありがちな恋愛要素をうまくまぜまぜしてる感じの作品。

お互い守秘義務によってスパイであることを知らない恋人同士が主人公です。
まず冒頭で女主人公のスジ(韓国の諜報機関員)が彼氏に捨てられるシーンから始まります。
スパイでありながらも本気の恋に生きる女性のスジは彼氏に捨てられて大荒れ。
その後3年経ったある日スジに新たな恋の予感。大企業で働くエリートのイケメンと知り合うことになります。
諜報部の女先輩に「こんないい男なかなかいないよ結婚しちゃいな」と背中を押され結婚するかも~と思っている矢先。スパイとしての尾行ミッション中に3年前に彼女を捨てた元彼のジェジュンに再会。
酷い捨て方をしたジェジュンに会ったスジはその場で大暴れし警官に逮捕される。(スパイなのに同じ国の警官に逮捕されるとかなんか笑えます)
再会したジェジュンはスジへの気持ちが再燃。スジに猛アタック。
元彼に言い寄られスジも悪い気はしないかな~という感じですが、エリートイケメンとの恋愛も順調でどっちにしようかなって悩んだり。
お互い一般企業で勤めているはずなのがめちゃくちゃ怪しい行動をとっているのが気になったり。
彼の方も韓国の諜報部に所属する工作員なのですが(3年前にスジを捨てたのも諜報活動のお仕事のためやむなく)、ひょっとしたら相手が外国のテロリストとつながっているスパイなのでは?とお互いが疑うようになる。(守秘義務でお互いが韓国の諜報機関員同士だとわからない勘違い要素が面白いです。アンジャッシュのネタみたいな)
その後二人の勘違いは二人が所属している双方の部署を巻き込む大騒動に発展、お互いの部署の人間も一緒になって恋の相手の逮捕に動き出す・・・

という流れです。
恋愛と勘違い要素が発展して国の諜報機関を巻き込む大騒動にまで発展しちゃう展開が面白かった。
あと二人はスパイなのですがとにかく暴れん坊でよくデート中に痴話げんかで大暴れしたりエッチなお店にスパイの仕事で工作してるような時に限ってお互いのスパイ活動で偶然に出会っては浮気をしたの?みたいな展開で大暴れ。スパイなのにも関わらず何度も何度も警官に逮捕されているシーンが面白い。
警官たちもまたこの二人か~という感じで署内で逮捕されても痴話げんかを続ける二人と一緒になって「あ~そりゃ別れて正解だわ~」とか「やっぱ女は胸がないとな。サイズだよサイズ」とか言ってて笑えます。
いつも逮捕してくる顔なじみの警官が終盤のバイオテロ事件の犯人を捕まえる時に大活躍したり。

そんな笑える展開ばかりでもなくウイルスを使ったバイオテロ事件も作中で発生する緊迫した場面もあってコメディタッチが基本なのですがちゃんとまじめなスパイシーンもあってメリハリが効いてて面白い。
なかなかいい作品だと思いました。

スパイと言えば国家のために生きる、偽装結婚やら偽装恋愛ばかりしてるイメージでしたがこの作品の二人はもう恋に生きる感じで仕事のスパイ活動のミッションそっちのけで浮気を疑って大暴れしたり。本気で恋に悩む姿があってスパイの人間らしい姿が見れてちょっと新鮮。

男の主人公のジェジュンはとにかくダメなスパイで失敗ばかりしていたり諜報部の怖い先輩にいじめられていて。スパイの世界も大変だなぁ~と思ったり。あまりにもどじをするスパイのジェジュンに腹を立てた怖い先輩に「お前の教官は誰だ?お前みたいなのを送り込んできやがってとっちめてやる!」と言ってるシーンが何度もあって面白い。
その怖い先輩が諜報部の若い監察官の失礼な態度にキレてまた「「お前の教官は誰だ?言ってみろ!」と言っててこの人の脅し文句の口癖なのかな?と思っていたらエンディングで本当にその教官をとっちめているシーンがあって笑った(教官はものすごい土下座をかましてくれます。土下座を超えた土下座です)。その教官はなんと、ストーリーに絡んでいたあの人物!失礼な若い監察官もこの人が教官。ダメ工作員を量産していますね。この人。こういうところもすごく脚本がうまいな~!

なかなか面白い作品。おすすめです~!
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