バンバンビガロ

私は死にたくないのバンバンビガロのレビュー・感想・評価

私は死にたくない(1958年製作の映画)
4.0
カメラを傾けた構図によるジャズバンドのカットバックで始まるオープニングシーンが非常にクールで素晴らしい。
冤罪で捕まった死刑囚の死刑執行までを描くという重くつらい話ではあるのだがそれをジャズのビートに乗せながらあくまでもクールかつリアルな演出で魅せる作品。
作品全体のリアリティレベルの高さから見るとスーザン・ヘイワードの演技はやや熱が入りすぎていて過剰に感じられるのだが、それが終盤の息も詰まるような展開とすべてが終わってしまった後の静寂を強調して印象付けているようにも思える。
この作品の白眉は死刑執行のプロセスをこの上ないくらい詳細に描く場面であり、これは後年の傑作SF『アンドロメダ…』とも通底するもので、何らかのプロセスを異常なディティールを込めて描くことでそれ自体をドラマしてしまうというロバート・ワイズ監督の本領ともいうべき演出である。
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