みゆ

野ゆき山ゆき海べゆきのみゆのレビュー・感想・評価

野ゆき山ゆき海べゆき(1986年製作の映画)
4.0
忍び寄る太平洋戦争の影と、子供たちが行う「わんぱく戦争」を重ねたことで、いかに戦争が愚かな行為か、非常に分かりやすく描いている。全体的にファンタジーだし、みんな演劇っぽいしゃべりと演技で正直びっくりした。ただ、いずれも、ラストで子供たちが大人に仕掛けた「悪い遊び」があることで一変した。監督が語っていた、「原爆は美しく描かなくてはいけない。」という演出理論と相まって、いきなり抽象度が上がってしまった。あのラストは、どう捉えれば良いのか…と思ってしまった。それはそうとめっちゃ大林宣彦って映画だった。オプチカル処理や、幻想的な演出。「原爆を美しく描く」という大林監督の演出は、この映画だったからだと思う。子供同士の「戦争」と、実際の戦争が重なり合う中だから機能したと思う。いずれにしても残酷な結末。
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