監督

東京タワー オカンとボクと、時々、オトンの監督のレビュー・感想・評価

3.9
トイレの落書きやおでんくんを書いたリリー・フランキーという人間の生い立ちを描いた作品である。
当時原作を読んで感動して、映画も観ていたが原作ほどの感動がなかったことだけは覚えていたが、Netflixで改めて見てみたけれど、やはり感動はしなかった。

むしろ、樹木希林さんがこの世にいないということが寂しく思えたり、歌舞伎座が一つ前の建物であったり、新幹線が700系であったり、駅の広告がひよこだったりと、リリーフランキーが描いた哀愁とは別の哀愁を漂わせており、これはこれでひとつの映画の良さのようにも思えた。

最近の大河ドラマが面白くないのは、昔ながらの風景を撮影できる環境が無くなったからだと思う。
ヨーロッパで撮影される映画は近年の作品であっても魅力的なのは、街そのものに歴史があるからであって、この作品の冒頭の街並み(風景)をこの先日本で撮影することはできるのだろうか?
そうした意味も含めて、意味や方向性は異なるかもしれないが、きちんと哀愁を意識して撮影された作品であるのかもしれないと感じてしまった。

僕が子供の頃もまだ、僕を含めやんちゃなガキどもはザリガニやカエルを殺して喜んでいたし、暴力の対象を人に向けることはなかったように思う。
そう考えても、やっぱり色々な意味で哀愁を感じさせてくれる良い映画なのではないだろうか? 

なんか感想が違う方向に行っているかもしれないが、それはそれこれはこれというこで
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