イッテルビウム中田

ノートルダムの鐘のイッテルビウム中田のレビュー・感想・評価

ノートルダムの鐘(1996年製作の映画)
5.0
醜い容姿から〝怪物〟として塔に閉じ込められていたカジモド。誘拐や監禁はディズニーあるあるだが、カジモドにプリンセスはいなかった(ちょっと残念!)

パリ一番のブ男を決める祭りで王様に選ばれたカジモド。チヤホヤされるも束の間、ある一人の男がカジモドにトマトを投げると群衆も倣ってカジモドを痛めつけた。

それを止めたのがヒロインのエスメラルダ。だが、そのエスメラルダもまた群衆から迫害されるジプシーなのである。なんらかの偏見を持った人々が合わさり群衆となればそれは立派な〝怪物〟なのではないだろうか。

本作の悪役のフロローはジプシーを〝悪(怪物)〟と偏見を持っており、彼らを迫害することに対して何の躊躇いも持っていない。
ジプシーの娘に恋心を抱いたのはフロロー本人にとっても受け入れ難いことなのか〝罪の炎〟として歌唱していた。罪を振り払うかのようにやり過ぎてしまうフロローもまた〝怪物〟である。

〝ノートルダムの鐘〟を筆頭に〝僕の願い〟〝天使が僕に〟など暗く重苦しくなりそうな雰囲気を楽曲が彩る。