Lila

ヒートのLilaのレビュー・感想・評価

ヒート(1995年製作の映画)
4.2
「摩天楼を夢みて」からそのままお勧めされて観ましたが、渋い、渋い、渋い!当時デニーロ対アルパチーノで話題になり、テレビでチラッと観たものの記憶の片隅レベルでした。多分怖かったんだろうなあ。

両サイドのストーリー見せられて、どっちも上手くいってほしいっていう無理な願望を持ってしまうので(とはいえ犯罪者側が上手くいってはダメだけども)、エンディングに向かっていけば行くほどハラハラします。

大変な男達に惚れてしまった女性の苦悩と理解力は、男目線の美学炸裂です。いやいやいやって思うところはありますが、90年代の漢映画なので仕方ない!そうあってほしいのでしょう。

途中の銃撃戦はクライマックスレベルの盛り上がりを見せて、まだ1時間あると知った時の衝撃!音楽なしのリアルな音での銃撃戦は迫力満点でした。乾きが凄いです。

これも逆パターン見たくなりますが、アルパチーノが犯罪組織で逃げる側よりは、このパターンで良かったです。アルパチーノが善のLAPD側っていうのが、一個乗っかって面白い。デニーロの不器用さや哀愁は役柄にお似合いでした。

そして、対峙する必要あるの?ってとこで対峙するのがミソでした。クライマックスとかも映画あるあるで何でわざわざ!って思っちゃうところ、それすら意味を持たせる最後の台詞は好きです。

この時点でアルパチーノもデニーロも既に50歳越えですが、いつよりも脂が乗ってる艶やかさは流石過ぎます。誰よりも2人がイケメンでかっこいい!レジェンド2人揃って、80歳のお爺さんになっても子を授かってるだけありますね!w

あと余談レベルですが、アシュレイ・ジャッドがこの作品で評価されたと聞いてたものの、評価どころか下手過ぎてビックリ!なんなら髪型や役柄も似合っていなくて残念です。

約3時間は長丁場ですが、2人それぞれの描写をで丁寧に積み重ね、エンディングシーンのワンカットの重みを感じるには必要だったかもしれないと思ってます。さほど2人揃ったシーンはない印象ですが、パワーバランスを保てるので、ずっと脳裏にお互いがいる事は伝わります。そこが本当にお見事です。
Lila

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