はっぴー

ヒートのはっぴーのレビュー・感想・評価

ヒート(1995年製作の映画)
4.5
ーー他の生き方を探すしかない
ーーそのつもりはない

犯人を追い続ける刑事のヴィンセント、強盗グループを率いるリーダーのニール。ある事件で2人は出会い、互いの信条を元に、追う者と追われる者として、数奇な運命を辿ることになる。

ヴィンセントとニールは、お互い似た者同士。仕事における能力は非常に優秀で、自身の仕事が第一の男。そして、仕事一筋の生き方を変えるつもりはない。ただ、その信条は同じながらも、愛する者との向き合い方は違う。ヴィンセントは妻と喧嘩しながらも、家族に寄り添い、自身は求められる男ではないと伝えられる。一方ニールは、惚れた女に犯罪者である自分を信じろと伝えながら、いざとなれば信条を元に切り捨ててしまうことができる。そのような2人の対比が、全編にわたってじっくり描かれていた。彼らを愛した女性の様子が対照的なものであったのも、印象的だった。

主演であるアル•パチーノとロバート•デニーロの渋さが、画の魅力を増させている。個人的には、ロバート•デニーロに、その軍配が上がる。ポスターに載っている、サングラスをかけたスーツ姿のデニーロが、あまりにもカッコよすぎる。この姿のデニーロが活躍する中盤の銃撃戦は、市街地での銃撃戦としては、凄まじい見応えがあった。逃げ回る市民がいる中、マシンガンによって、警官•パトカーが容赦なく破壊されていく。爆発などの派手さはなく、またジョークが飛び交うようなものでもない、
ただお互いの命を奪うための銃撃戦。そこに一種のリアルさを感じた。

170分と長尺ではあるが、中盤の銃撃戦を含め、丁寧な作りがされていて、無駄なシーンはない。ただ、90年代の洋画なので、卑猥なセリフや少し衝撃的なシーンはあるので、注意が必要です!
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