ポンコツ娘萌え萌え同盟

それいけ!アンパンマン ゆうれい船をやっつけろ!!のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

3.5
再鑑賞。いつまでも近いようで遠い運命の皮肉に翻弄されるパンナ姉妹。
昔アンパンマンはまってた頃に某おねロリ漫画家先生がパンナ姉妹の百合イラストを描いてたのもあって以前は姉妹百合映画のように見えた。
再鑑賞してみればそれほどではないがたしかに姉妹愛はある。
アンパンマンの映画と言えば深いテーマを題材とした内容もそこそこあるが、本作の内容はそれとも別で不思議な白馬のマリンを介したメロンパンナとロールパンナの姉妹の関係性とも捉えることが可能だ。
ただ映画単体内容としては小規模で、アンパンマンの30分回でもできそうだが、しっかりとアニメーション映像としての見せどころも描き切った幼児向け映画の優等生。

原点からしてロールパンナの存在が面白すぎるのだ。アンパンマンとばいきんまんの関係性で集約すれば善悪がはっきりとした世界観に対して、善と悪の両方で揺れ続けるロールパンナは世界の一員ながらアンチテーゼである。
そこでメロンパンナの存在だ。彼女の存在が悪に傾いても真心を取り戻すことが可能なロールパンナは一種の姉妹愛的な要因がある。
では本作の様に完全に悪の心に捉われブラックロールパンナと化した中でどうなるかという部分に面白さがあり、一方で元軸となる姉妹間の関係の存在があるので最後まで見れば姉妹間の絆に感動し運命に切なくなる。

映像面としては空の上を浮かぶマリンの船の幻想的な感じやロマンチックな場面にうとっりとするのよし、逆におどろおどろしいゆうれい船が街の上空を侵犯し混乱をもたらす様を見るのも良し。娯楽的な楽しさはそこそこ高い。
だが、やはり何といっても動きの良さだろう。
特にアンパンマンとブッラクロールパンナの戦闘シーンは動きの良さ激しさ、構図の見せ方から成す迫力がかっこよく非常に優れてる。

ちなみにブラックロールパンナがでる内容で本作以外にも「ふたりのロールパンナ」といった善の心と悪の心に分裂したロールパンナの回も傑作なのでぜひ見てほしい。