イライライジャ

オリーブの林をぬけてのイライライジャのネタバレレビュー・内容・結末

オリーブの林をぬけて(1994年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

『ともだちのうちはどこ?』『そして人生はつづく』に続くジグザグ道3部作の完結作。前作で出てきた地震翌日に結婚した夫婦役に焦点を当てている。
リアルで夫役は妻役に恋しておりプロポーズしてフラれたことを知った監督はそのエピソードを映画にする。
前作までよりも映画撮影を意識させたメタフィクションになっているが、相変わらずどこまでが演技でどこまでが自然なのか分からない。

前作のキアロスタミ役を撮る今作のキアロスタミ役を撮る本物のキアロスタミというややこしい構図には一瞬頭が混乱した。

夫役のホセインがしつこくて、「好きなら好きと言うか、僕を見るあの目を説明して」とYESしかない選択肢を突き付けるもガン無視される。何なら一度も返事すらされない。しかしこのねっちょり感が良くて、ラストの長回しの画面だけで失恋したことを示す。
超ロングショットで米粒ばりに小さいホセインがこちらに向かって走ってくるのが良すぎる。ホセインやタヘレの人生が知らないところで続いていく、3部作の締めくくりに相応しい結末。

あの子はどうなったのだろう?と思わせていた人物がひょこっと出てきて安心した。