劇中劇の体。
朗読を仕事とするマリーの出逢う人間模様。
前半コメディ。後半シリアス。
女(ミューミュー)が「読書する女」と言う本を傍らの男に朗読してあげる。
小説の中のマリーは朗読を仕事にしようとする。わざわざ人に頼んでまで朗読する女を雇う人は現れるのか?
最初は車イスの青年エリック。マリーの素足に見とれて、朗読中のモーパッサンの官能表現も相まって失神してしまうエリック君。
2人目は100歳を越える将軍夫人。マルクスの朗読を要請。彼女は所謂「アカ」だ。
マリーは気分転換に友人のフランソワーズとお茶。そこでフランソワーズに朗読してもらうのは「スカート」と言う非日常のエロスの短編。
これは劇中劇の中の、更に劇中劇で、ややこしい。
(エリック君の母が臨時娼婦で友情出演)
100歳の将軍夫人のメイドの、クモとか窮屈なパンツって、何を表してるんでしょう?
不条理な面白さは感じます。
顧客の部屋を徹底してシンメトリーの構図で写して、これってウェス・アンダーソンが参考にしたの?って思えてしまう。
「読書する女」を朗読途中、栞の代わりに挟んでたのはロートレックの素描で、その前後のマリーの嬌態を示唆していてユニーク。
フル・ヌードでモザイクまで入って、男女の陰部のアップまで映るけど、その描写、何を表現したいのか良く分からなかった。
後半。
上品で高齢の顧客が朗読を要請したのは…
サド侯爵の奇書「ソドム・百二十日あるいは淫蕩学校」で、焚書の扱いを受けるようなスカトロ変態小説。
それをマリーに朗読させる狙いは何か?
フランス語の抑揚、分からないなりに楽しめました。
ラストはループする。
ボードレールや、エミール・ゾラなど…フランス文学に造詣が有る方は、もっと違った楽しみ方を見つけられるはず。
2015-6-23