ちろる

読書する女のちろるのレビュー・感想・評価

読書する女(1988年製作の映画)
3.7
レイモンド・ジャンの原作小説「La Lectrice」を基にした作品。
てっきり真面目な文芸作品だと思っていたけど、ちょっとエロティックな雰囲気のロマンチックコメディだった。

自分の声に自信のあるマリーは、他人に本を読み聞かせる朗読のアルバイトを思いつき、新聞に広告を出すが、朗読をしながらその物語の登場人物になり切るマリーの読み聞かせは好評で、ちょっぴり変わった客たちを顧客に持ち始める。
ストーリー自体はものすごく面白いわけではないのですが、お客様に本を読んでいるマリーの実態自体が途中から曖昧な存在となり、ラストのラストで私たち鑑賞者もまるでこの物語の一部のように取り込まれていたように感じさせる巧妙なトリックはユニーク。

そして何よりもマリー役のミュウ=ミュウのフレンチガーリーファッションと、グリーンを基調とした鮮やかな色使いのインテリアなどがおしゃれなのでこれを観るだけでも価値はあるかもしれません。
ちろる

ちろる