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トリコロール/青の愛の海のレビュー・感想・評価

トリコロール/青の愛(1993年製作の映画)
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面影。信仰も希望もかけて、縋り付くべきだった一つの人生。ふと顔を上げれば、あなたってこんな顔だったかな。見知らぬ顔からよく知った声が聴こえたり、よく知る顔から聴きなれぬことばが飛び出したり、遠くて近い、近くて遠い。本物であることを確かめるために二人は触れあっていても、自分自身にさわるのは怖い。何度言っても足りない。どれだけ生きても足りない。抱きしめ続けているのに、「ない」ばかりさがしてる。もう離して。つかまえられて、放たれる、心地よさが今は欲しい。泳ぎのリズムを模倣してひとり眠った。
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