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チェンジリングのTのネタバレレビュー・内容・結末

チェンジリング(2008年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

この時代の中流家庭なら息子の写真位あるだろう。息子だといって連れてこられた子供の写真と一緒に世間の人・マスコミに見比べてもらえば「酷い環境で5か月間過ごしたとしてもここまで別人にはならないだろう」と支持してもらえたのでは?
それと息子が一人留守している間、近所の人に立ち寄ってもらうように言ってあったので、失踪した時間帯をもう少し絞り込めるだろう。(実話とはいえ、多少設定を変えているかもしれないが)
しかし息子の学校や近所の友達、ご近所夫婦、主人公の両親(息子から見た祖父母)は「絶対別人だよ」と思ったはず。「訓練された」偽物ではないので、母親とも友達とも会話が成立しないだろうし。これらの人は何も言わなかったのか。よくこんな対応が通用したな。偽物の子供によって真実がバレるのも時間の問題だったと思うが。
それにしても、主人公である母親がまともに訴えているのに全く噛み合わない対応をするジョーンズ警部の女性を軽んじた態度にムカついた。この時代の警察は女性・子供が言うことをまともに取り合っていないようだ。今でも女性は感情的・現実と妄想を混同していると思われている節があるが何でそういうイメージを持たれているのだろう。
あと、警察や精神病院にいた無表情な女性職員に対しても同じようにイラついた。男性に迎合して自分と同じ女性に理不尽な対応をしてるんじゃないよ、と。この時代の女性は男性に意見が言えなかったとしても、申し訳ないことをしているという態度があってほしかった。男性に迎合して、女性が女性を貶める行為をしているようではいいとこなしではないか。
しかし「女性だから」と軽んじられたおかげで精神病院で済んだとも言える。昔「告発」という映画を見たことがあり、話はほとんど忘れたが、警察に目を付けられたのが男性だったらもっと危険視されて精神病院では済まなかったかもしれない。そう思うと、主人公の女性よりも牧師や弁護士の方が立場が危険だったかも。よく無事だったな。
最後に・・刑事が一人で養鶏場を捜査していた時の不穏な音楽、カメラの映し方、養鶏場のオノや部屋の中の包丁の描写、いきなり側をバタバタと通り過ぎる鶏の描写が、「実話だったよな?」と不安になり、いきなり後ろから犯人がオノを振り下ろすのではないかと気が気でなかった。
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