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チェンジリングのodyssのレビュー・感想・評価

チェンジリング(2008年製作の映画)
4.0
【すごい話だな、とは思う】

細かいところでちょっと納得できない部分もあるんですけど、すごい話だなとは思いましたね。

納得できないところというのは、ネタバレになるから具体的には書けませんが、警察のゴマカシに対して、その反証提供者が二人しかいないというあたり。また、掲示板のほうに他の方が書いているようなことですね。

それにしても、20世紀、それも第一次世界大戦も終わってからの時代だというのに、アメリカってのはすごく野蛮な国だったんだなと改めて痛感しました。警察のいいなりになる医○だとか精○○院だとか、見ていてちょっと信じられなかった。

もっとも、日本でも戦後になってから東大の有名な医学者が犯罪容疑者の血液鑑定で警察に有利になるような判定を(偽って)出していたことが分かって問題になりましたけどね。或いは、水俣病の原因について東京の有名大学の学者は工場廃液説を否定し、地元熊本大学の学者のほうがちゃんとした判断をしていたという例もある。権力の身近にいる学者だとかなんだとかは信用がおけない、ということでしょう。

映像面では、当時のロスの街並みだとか、ゆっくり走る路面電車なんかが、なかなかよかった。

人物は善悪の分かれ方がはっきりしているなか、例の犯罪者の曖昧さが興味深かった。犯罪者としての素質のある人間って、ああいうものじゃないかと思いました。
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