午後

東風の午後のレビュー・感想・評価

東風(1969年製作の映画)
4.0
革命のための映画は映像と音をどのように使うべきか。ゴダールの自己批判と実践の試み。ハリウッド映画の代表ジャンルである西部劇のパロディ。映像の持ちうる暴力性や欺瞞に対する内省。物語性は排除され、既成のブルジョワ的な表現を拒絶する。終盤の真っ赤な画面とぐちゃぐちゃに塗りつぶされたフィルムの映像が交互に映し出される部分はなんか興奮した。期待したものが映らない。それが暗黙の映画の文法を意識させる。ゴダール映画のリズムが好きで、アジ演説めいた台詞回しや、音の途切れるタイミング、シーンの切り替わりが無性に気持ちよくてずっと続いていてほしい。
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