1970年代前後、ゴダールが中心となっていた「ジガ・ヴェルトフ集団」の作品。
どうしてもブルジョワ的にならざるえない「映画」というものを、自分たちの信じるマルクス主義的なやり方で実践するという理想に向けて集まっている。そのためスタッフはみんな平等で、監督はいない / みんなが監督という形になっている
この『東風』、言うなれば彼らのマニフェスト 兼 活動報告。ジガ・ヴェルトフ集団はこういう目標のもと、こういう撮影をしています!というのを見せてくれるので、ある程度知識を入れてから見に行けば見やすいのかもしれない。
とはいえ基本的には予算もない、アマチュアのような作品ではある。それでもそこを切れ味鋭くクールなものに見せてくれる。ゴダールの真髄は編集にあるんだなと思い知る。