滝和也

ダーティファイター/燃えよ鉄拳の滝和也のレビュー・感想・評価

3.8
帰ってきた喧嘩屋。
べドー&クライドの
必殺の右が炸裂する。

イーストウッドと
オランウータン主演の
コメディアクション!
圧倒的な気持ちよさ(^^)

「ダーティーファイター 燃えよ鉄拳」

クリント・イーストウッドが鉄腕喧嘩師を演じる第二弾。前作のセンチメンタルな部分は全部取っ払い、ただただ気持ち良さを楽しむようなカラッとした作品に仕上がった。(正直開き直ったか、割り切ったか(笑))だが…そこがアメリカの労働者階級にドンピシャにはまり、これぞアメリカ、西部の男と言うイーストウッドらしいマッチョな作品になっている。

ストリートファイトを続けていたファイロ・ベドー(イーストウッド)とオービルのコンビ。もう一人の相棒オランウータンのクライドと共に今日も勝ちをさらう。その帰り道行き付けのバーによると彼の元を去ったリン(ソンドラ・ロック)が出演していた、彼女はファイロの元に戻ってきたのだった…。その頃ギャング達は東部最強の男、ジャックとファイロの試合を計画していた…。

前作でファイロから逃げた女が何の理由もなく戻って来ちゃう(笑)こっからもう湿っぽい話はなしだぜと言う豪快な姿勢が見える(笑)ソンドラの存在感は圧倒的になくなる(笑)人質要員だし…。

今作は前作で面白かったと思われる部分がより強調されていて…シモネタやオランウータンのクライドが大活躍するのが前半。後半はジャックとファイロの間に生まれた友情らしきものと圧倒的に気持ちの良いぶん殴り合いシーンで繋ぐ。

また前作の毒蜘蛛団がファイロを狙い、コメディリリーフとして随時登場してドリフ並の笑いを提供してくれる。ラストの良い感じも良いアクセントになっていて、気持ちよさを増している。

やはりラストの静かなる男のオマージュかなとも思える、清々しさすら感じる強者二人の殴り合いが素晴らしい。アメリカを代表する西部の男らしい最後は素手ゴロ勝負でしかわかり合えない感じが気持ち良すぎる。またそれを見ている観衆も同じくだろう。

正直言えば…どのシーンも緩いし、呆れるほど笑いもベタ。その雰囲気を継いでいるのは間違いなく、キャノンボールシリーズ(笑)だが…それが心地よくて、お休みの午前中のゆっくりした時間には最高だった…。

追記…何度でも言うが、このオランウータンは最高。見事な演技。今回はそのパワーに物を言わせ、車を破壊、動物園からメス強奪(笑)。そして何より…

「クライド!右だ!」ドカン!

が最高だった。
滝和也

滝和也