あまのうずめ

蘇える金狼のあまのうずめのレビュー・感想・評価

蘇える金狼(1979年製作の映画)
3.6
1億円の入ったアタッシュケースが強奪される。警察は奪った朝倉の勤務する東和油脂にも現れ、奪われたお金のナンバーは控えられていると協力を求めて回る。朝倉はお金をクスリに替えようと暴力団員を脅し情報を得た。朝倉は次にキョウコを尾け株屋の堀田と名乗り近づく。


▶︎大藪春彦の原作を村上透が監督し松田優作がアウトローを演じた。このトリオは翌年の『野獣死すべし』でも続く。

何と言っても松田優作のカッコ良さと佐藤慶、成田三樹夫らの脇固め、吹雪ジュンの美しさでほぼ出来ている。

朝倉の錬金術と出世欲、その果てに待つ終焉を、今なら演出過多とも思える美意識で描いた名作の覚え高き作品の一つ。

ガンアクションとカーアクションも派手でスタントさんたちの活躍ぶりにも眼を眼を見張る。

今回『松田優作特集』での再鑑賞となったが、松田優作の早逝が痛まれると共にこんな“スター”はもう出ないだろうなと諦めに近い感情を持った。

やたらとカリスマとの言葉は使いたく無いが、時代のカリスマだった松田優作を知れる代表作の一つなのは間違いないと思える作品。