めたわに

第9地区のめたわにのネタバレレビュー・内容・結末

第9地区(2009年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

もう10年以上前の映画になるのか!ずっと温め続けてきた映画をやっと鑑賞。めちゃくちゃ面白いじゃん。しかし酷評も多く、続編は見送られているとのこと。

人種差別制作があった南アメリカヨハネスブルグという場所も皮肉が効いている。
我々よりはるかに高度な科学技術を持っているはずの地球外生命体(エビ)なのに、生き残っていたのはアホなエビばかり。尾羽打ち枯らし生き残った様は、さながらかろうじて生き残ったボートピープルのよう。しかしその数180万!
難民キャンプ(第9地区)はすぐに荒れ治安も悪くなり、超国家機関MNUにより移住させることに。お偉いさんの娘婿 ヴィカスがその責任者に。
ちょっとお馬鹿ぽいヴィカス、張り切るもひょんなことからエビに感染!?手からエビ様に変化したからさあ大変。エビにしか使えないエビの武器を使える貴重な人間として解剖されることに…脱走!→機嫌人物が逃走中。ヴィカスはエビとやりまくった為エビ化してます!皆さん見かけたら通報してください!

困ったヴィカスは第9地区に逃げ込み、頭脳明晰なエビクリストファーが母船に帰り母星に行けば自分も元に戻してくれる(3年はかかりそうだが)という聞き、クリストファーとその息子が飛び立つ援護を。引換えに捕まってしまう。

ラストはエビに完全に姿を変えたヴィカスが妻のいる家の玄関に花を置き、妻はそれをみつけヴィカスを感じる…そしてクリストファーが帰ってくる3年後を、続編にといった流れ。

人種差別への皮肉だけではなく、ちょっとアホなヴィカスが縁故で出世、以外にも愛し合うヴィカス夫婦の絆、クリストファー親子とヴィカスの友情、ブラック・ユーモアの数々(エビ立ち退きにサイン必要無理だから手形押させろナドナド)、ふざけながらもテーマはシリアス、そこに取ってつけたような愛と友情、そしてドキュメンタリータッチな作り。

観る人を選ぶ映画なのだろうが、10年寝かせて、上げていた自分のハードルは軽く上回ったデキ。
難民はいつの世も、エビにとっても辛いのかもしれませんね。
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