イチロヲ

緋ぢりめん博徒のイチロヲのレビュー・感想・評価

緋ぢりめん博徒(1972年製作の映画)
3.5
義理人情を大切にしている女博徒(中村英子)が、強権をふるう女衒の組織に肉薄していく。明治中期の関東を舞台にして、極道に生きる女たちの人生模様を描いている、任侠映画。

「緋牡丹博徒」のリブートを掲げている作品。計5名のポスト藤純子を共演させるという変化球が用いられている。「原案・団鬼六」の謎多きクレジットと併せて、東映の商魂たくましい戦略が垣間見られる。

諸事情によりアウトサイダーとなった菅原文太が、女のドラマに割って入る立ち位置。名和宏と小池朝雄がサディスティックな女衒を演じるため、石井輝男の映画術は損なわれていない。

女優陣では、ハイカラな格好で文太に媚びを売る池玲子と、女座頭市の華麗な立ち回りをこなす藤宏子が存在感あり。リブート云々はさておき、石井流の女性映画を反芻するのが良策。
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