Yukiko

ブラック・ライダーのYukikoのレビュー・感想・評価

ブラック・ライダー(1971年製作の映画)
3.8
2022年7月29日       NHKBS放送放映
『ブラック・ライダー』   1971年アメリカ制作
監督、シドニー・ポワチエ。

アメリカ、南北戦争後。
バック(シドニー・ポワチエ)は黒人。
南部から西部に自由を求めてやって来た黒人移住者
たちを安全な場所に移動する手引きをしている。
だが、南部の元の農園に戻そうとする白人グループ
のデュシェイらによる妨害、略奪に遭う。
ある日、バックは巡回牧師と名乗るラザフォード
(ハリー・ベラフォンテ)に出会う。
ラザフォードはバックを手伝うようになっていく。


西部劇のようだが、話の内容はアメリカの南北戦争後
を描いていて、他にそのような南北戦争直後の黒人達
の大移動を描いた物を観たことがないだけに、
興味を持ってこの映画を観た。

虐げられていた黒人達。
「約束の地」という場所に皆で大移動。
それは、南部地域のそれまで安い労働力として黒人達
を使っていた農地の働き手がいなくなることを意味
している。

だから、無理矢理にでも連れ返そう、元の状態が良い
のだという白人達の大移動への妨害が起きる。
それらを描いた映画。

そこに、同じように白人達から土地を奪われた
インディアンが黒人達を加勢する。

ハリー・ベラフォンテさんが、真面目な話の中に、
一際彩りを放つよう。
楽しめる役柄だ。

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南北戦争、1861~1865年

<南北戦争 戦後>  Wikipediaより抜粋
奴隷制が崩壊したことは、南部諸州から安い
労働力を失うことを意味した。
テキサス州では深刻な不況に陥った。
南部諸州は北部による軍事占領下におかれ、
その元で黒人に投票権が与えられた。
しかし1877年以降、南部の白人が州内において
主導権を取り戻すと激しい揺り戻しが起きた。
1890年代以降、南部各州では相次いで有色人種に
対する隔離政策(ジム・クロウ法)が立法化され、
奴隷こそいなくなったものの人種差別(厳密には
人種隔離)は再び強化された。
この人種差別状況が改善されるのは、1950年代の
公民権運動を待たなければならなかった。
「奴隷解放宣言」により、南部の州で奴隷の扱いを
受けていた黒人は解放された。
しかし、南部における黒人に対する差別や偏見は
その後も潜在的に残り、KKKなどの活動を生み出す
土壌となった。
南部では現在も尚、南北戦争は「北部による侵略
戦争」であったと主張する者もいる。
南部の黒人差別は、後に南部からの北部への、
黒人の大移動が起こる原因となる。
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